長く就職活動をしてようやく内定が出たにもかかわらず、留年してしまう学生は少なからずいます。
留年がまだ確定していないのであれば回避できるように対策し、確定しているのであれば企業に速やかに連絡することが必要です。しかし、どうしていいかわからないという学生も多いでしょう。
そこで、ここでは、内定後に留年しそうなことがわかったときにするべきことや、企業に連絡する際の注意点などについて紹介していきます。
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目次
最初にするべきことは本当に留年するかの確認
留年しそうなことが判明したら、まずは冷静になって現在の取得単位の状況を確かめましょう。大学や学部ごとに卒業に必要な単位の数は異なり、卒業要件が複雑なこともあります。
取得した単位の再計算を行って、留年が避けられない状況なのかを確かめることが大切です。必要な単位が足りず留年することが確定した場合は、回避できる手段がないかを調べましょう。
これは、シラバスで確かめられるでしょう。
大学によっては、留年の救済措置として特別な制度を設けていることがあります。たとえば、TOEICなどの検定試験や専攻に関わる資格を取得していたら単位認定する制度などです。
また、ボランティア活動を単位として認定する制度を設けているところもあります。ただし、このような制度があるかどうかは大学によって異なりますので、よく確かめるようにしましょう。
また、単位を落とした授業の担当教員に相談することも大切です。教員によってどのような対応をとるかは異なりますが、再試験を実施したり、レポート提出などの課題を課したりして、単位取得のチャンスを与えてくれる場合があります。
担当教官に相談してもどうにもならなかったときは、学生課や教務課に相談してみましょう。学生課や教務課は、学生が健全に学生生活を送れるようにさまざまなサポートを行うところです。
相談には親身にのってくれますし、基本的に無料です。また、プライバシーは守られますので、安心して活用しましょう。単位の取得状況を改めて確認してもらえますし、自分で調べても気がつかなかった留年の回避手段や救済措置を教えてくれることもあります。
留年が避けられないことがわかったときは、何の授業の単位がどれだけ不足しているのか、卒業までにどれくらいかかるかも確認しておきましょう。
必要な単位がギリギリで足らないというケースでは、前期にがんばれば9月で卒業できるケースもあります。今後の行動を決めるために、卒業がいつになるかを知ることが大切です。
また、留年が決まったら休学してしまうというのもアリです。詳しくは以下の記事をご覧ください。
休学は就活にどう影響を与える?新たな道を探すメリット・デメリット
就活における留年は不利?人事のプロが語る就職留年の本音を公開!
留年が確定したら、自分はどうしたいかを考えよう
留年するとなると、いったん出した内定を取り消す企業は多いです。卒業まで大学に通う場合は、通常は会社員として働くことはできないため、これは仕方ないでしょう。
それでは、大学を中退する場合はどうでしょうか。残念ながら、このケースでも内定取り消しとなる可能性は高いです。なぜなら、一般に、企業は大卒であることを条件として採用しているからです。
大学を中退してしまえば最終学歴は高卒になり、採用条件を満たしていません。そのほかの理由として、留年するということは自己管理も満足にできない人間であると判断されてしまい、評価が下がるということもあります。
しかし、すべての企業が内定を取り消すわけではありません。なかには、入社を認める企業もあります。これにはさまざまなパターンがあり、企業によって対応が異なります。たとえば、次のようなケースが見られるでしょう。
・大学に籍をおきながら入社を許可し、必要な授業にのみ出席することを許可する。
・卒業までアルバイトとして入って仕事を覚えてもらい、卒業と同時に正社員にする。アパレル業過や飲食業界によくみられる。
・中退するなら入社を認める
また、内定はいったん取り消すものの、来年度の選考を免除して最終面接のみ行い、問題がなければ入社させるという会社もあります。内定はなくなるものの、来年度の選考で有利になることは間違いありません。
なお、公務員試験に合格している場合は、企業のケースとは事情が多少は異なります。公務員試験では、特定の資格を必要としている職種は別として、年齢のみを条件としていることが多いです。
採用条件として大学卒業を挙げていないときは、留年しても採用自体は維持される可能性が高いでしょう。とはいえ、自治体によって扱いは異なります。勝手に判断を下さず、まずは合格した自治体によく確認しましょう。
留年することが確定したら、上記のようなさまざまなパターンがあることを踏まえて自分はどうしたいのかを良く考えることが重要です。
内定先の企業にはできるだけ早い段階で連絡を入れ、自分はどうしたいのか、どう考えているかを伝える必要があります。内定を辞退してしまうか、もし企業側が卒業まで待つといってくれるなら入社するのか、充分に検討しましょう。
さらに、大学を中退するなら入社を認めるといわれたときはどうするかも考えておく必要があります。
ただし、長いスパンで考えると、なるべくなら中退は避けて大学を卒業しておくほうが良いでしょう。
中退すると最終学歴は高卒です。大卒と高卒では待遇が異なる企業も多く、転職することになったときに中退という経歴がマイナスに影響する可能性もあります。
大学を中退して入っても、その企業にずっと勤め続けられるかどうかはわかりません。早計に判断を下さず、将来のことも考えて決める必要があります。
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内定先企業への連絡は電話で早めに!押さえておくべきポイントを紹介
自分がどうしたいかが明確に決まったら、できるだけ速やかに、内定先の企業に連絡を入れましょう。連絡が早いほど、柔軟に対応してもらえる可能性も高くなります。連絡をするときは、電話でしましょう。
伝えづらい内容だからと、メールで連絡するようなことをしてはいけません。なぜなら、企業の採用計画を狂わせ迷惑をかけている状態で、メール一本で済ませることは失礼にあたるからです。
また、ほかのメールに埋もれて採用担当者の目にとまらず、連絡したつもりができてなかったといったケースも起こり得ます。電話であれば、早く確実です。謝罪の気持ちや誠意も伝わりやすいでしょう。今後どうすべきかといった話もすることができます。
先方に電話をかけるときは、時間帯に注意しましょう。特に、始業時間直後とお昼時、終業時間前は避けるべき時間帯にあたります。
なぜなら、始業前は朝礼や社員同士のミーティングなどを行っていたり、業務の準備をしたりして慌ただしく過ごしていることが多いからです。これでは、落ち着いて話しづらい状況でしょう。
終業時間前も、その日の業務の締めや追い込みで忙しく過ごしている可能性が高いです。お昼時は採用担当者が昼休憩をとっていますので、邪魔をしてはいけません。落ち着いて話すためにも、これらの時間帯は避けることが大切です。
仮に営業時間が9時から17時までの会社であれば、10時~12時ごろか、2時~4時ごろが望ましいでしょう。
電話をする際のポイントは、要点を押さえて簡潔に述べることです。もちろん、丁寧な口調で誠意をもって話します。だらだらと要領を得ない話をしたり、言い訳を繰り返したりしてはいけません。簡潔に話すためにも、電話をかける前に何をどのように伝えるかをある程度決めておくことが望ましいです。
何も考えずいきなり電話をすると、途中で何をどう話していいかわからなくなる可能性もあります。特に電話が苦手という人は、話す内容をメモして手元に置いておくと心強いでしょう。このとき、話す内容を文章にして書くのではなく、ポイントのみを箇条書きにしておくと、会話の流れに合わせて柔軟に対応しやすくなります。
電話をかけて採用担当者につながったら、最初に留年が決まったことを伝え、きちんと謝罪しましょう。そして、入社を辞退するのか、入社の意思は変わらないのか、正直に考えを伝えます。
入社を希望する場合は、卒業の時期がいつになるかも伝えたうえで、対応は可能かどうか尋ねましょう。ただし、入社したいと願い出ても、採用担当者がすぐに答えられるケースは多くありません。
社内で話し合い、後日回答するということがほとんどです。大人しく連絡が来るのを待ちましょう。その結果、内定が取り消された場合は、諦めて引き下がるしかありません。
留年によって内定が取り消されたときすべきこと
内定が取り消された場合、もしくは自分から内定を辞退した場合にすることは次の2つです。
- 次年度こそ確実に卒業できるように学業に打ち込む
- 気持ちを切り替えて就職活動をスタートさせる
留年が確定すると、なかには気持ちが続かず大学を中退してしまう学生がいます。しかし、安易に中退するのはこれまでの年数が無駄になるだけではなく、就職活動や今後のキャリアに不利になるおそれがあります。必要な単位の取得に励み、卒業を目指しましょう。
不足した単位が少ない場合は時間的な余裕がかなり生まれます。資格の取得に挑戦したりインターンに参加したりするなど、時間を有意義に活用しましょう。
留年による内定取り消しはショックな出来事ですが、落ち込んでいても何も始まりません。気持ちを切り変えて、来年の就職に向けて活動を始めることも大切です。
留年は良いことではありませんが、就職活動で不利になるかもと必要以上に心配することはありません。中退とは異なり、留年は就職活動においては新卒と同じ扱いです。留年しなかった就活生と大きく変わることはありません。
ただし、面接で留年した理由を問われることがあるでしょう。そのときは、下手にごまかしたり嘘をついたりしてはいけません。理由は正直に答えつつ、留年によって生まれた時間をどう活用し、どう変わったかという点をしっかり伝えることが望ましいです。
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内定後に留年しそうなことがわかったら冷静に対応を考えよう
内定が出たあとで留年しそうなことがわかったら、落ち着いて状況を確認し、救済措置がないか確かめましょう。留年が避けられないときは、速やかに内定先の企業に連絡する必要があります。
迷惑をかけることになりますので、誠実に対応しましょう。企業によっては内定取り消しではなく、卒業まで入社を待ってもらえるなどの救済措置が取られることもあります。入社の意思が固い場合は、対応してもらえないか願い出てみましょう。
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