こんにちは、現役人事コンサルタントの高橋と申します。
留学生として留学に出発する前に、こんな不安を抱いていませんか?
留学出発前から就活のことが気になって仕方がない。
留学と就活の両立なんてできるのだろうか。
そもそも勉強のために頑張って海外に行くのに採用選考で不利になるかも知れないなんて日本の就活ってなんて理不尽なんだ。
不安と相まって様々な感情が押し寄せてきていると思いますが、自信を持つようにしてください。
私はこれまで上場企業の人事として採用担当を2社経験しています。
またベンチャー企業と中小企業でも人事を歴任してきました。
現在は人事コンサルタントとしてインテリア関係の会社で採用支援を中心に人事コンサルタントとして活動しております。
勉強したことは無駄になりませんし、これからの人生で大きな糧になります。
学生の本分は勉強なので、就活を過剰に気にしてスケジュールを組むようなことはしなくてよいというのが採用最前線にいる私の結論です。
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目次
留学と就活の両立:就活のスケジュールを、1年遅らせても問題ない
仮に大学3年生の段階でスケジュールを組んで語学留学の合間を縫って転職活動をすることが可能であればそれに越したことはありませんが、現実的には留学をしたあとに学費に余裕があれば1年間の予備期間を設けることをおススメいたします。
その理由は簡単です。
企業の人事担当者が留学経験者に求めているのは、語学の能力ではなく留学先で過ごしてきた密度の濃い経験
であるからです。
密度の濃い経験とは異文化交流であったり、留学先で1人で生活をしっかりできたといったバイタリティーの部分を企業は評価する傾向にあるためです。
現在はリーマンショック時とは異なり、採用自体のハードルが下がっています。
新卒とは少し事情が異なりますが、転職エージェントにお金を払って職歴のない既卒者を雇っているような優良企業がゴロゴロ存在しているというくらい20代は就職有利な状態です。
新卒に関しては奪い合いになっているため、1年間程度の誤差で大手企業でもそれで就活に落とすという可能性は低いです。
留学と就活の両立:どうしても就活と両立したい場合のスケジュールとは?
どうしても就活と留学生活を両立させたい場合には、出国前にできる限りの準備をしておくことがカギとなります。
理由としては、留学先で慣れたと思った瞬間からスケジュール的には日本での就活も並行させる必要があるためです。
具体的には、3年生の7月と8月に留学準備をスタートする場合には、国内にいる留学準備期間中に先手を打って企業内インターンなどを並行するようにしておきましょう。
なお企業内インターンに参加している最中も「留学にいく可能性がある」と企業に伝えるようにしておいてください。
学生を少しでも早く内定を出して囲い込んでしまいたいという企業も現在では多いため、留学中に良い話が来ても海外で連絡がとれなかったというもったいないパターンは避けるようにしてください。
帰国する予定の4年生の6月までに留学生は3年生の11月に開催されるボストンキャリアフォーラムに参加するなど、就活をストレートに終わらせるためには何度か帰国して就活を行う必要性がありますが、現地の授業などがあり現実的ではないなというのが人事的な見解です。
どうしても両立をさせたい場合は、現地での授業スケジュールを配慮しながら動く必要があるため密度の濃い経験を積むせっかくの機会を失ってしまう可能性もあります。
4年の6月の帰国後に参加できる東京キャリアサマーフォーラム、大阪キャリアサマーフォーラムに参加するという手段もあるので、そちらも検討してみてください。
キャリアフォーラムに関する記事もまとめました!ぜひ読んでみてくださいね!
【内定者に聞いた!】留学経験者が東京サマーキャリアフォーラム(Tokyo Summer Career Forum)って内定をもらえるの?
【留学生必読】ボストンキャリアフォーラム(ボスキャリ)(Boston-Career-forum)を完全攻略!
【内定者が語る!】ボストンキャリアフォーラム(ボスキャリ)(Boston-Career-forum)で確実に内定をもらう準備・攻略方法
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留学と就活の両立:海外留学先での準備は念入りに。
海外留学先で就活の準備を行う場合には、インターネットを活用して就活の情報収集を行うようにしましょう。
友人などと連絡をとって就活の情報を取ることも有効な手段です。
また、できるだけまとまったお金と、リクルートスーツといった就活の必需品は国内にいる間に購入しておくようにしておきましょう。
海外ではなかなか手に入らないことがあります。
留学と就活の両立:志望する企業によって、就活のやり方は柔軟に変えよう。
志望する企業が日系企業か外資系企業かどうかで就活の進め方は柔軟に変えることをおススメいたします。
特に外資系企業を狙っている場合は留学生活で両立できるようなスケジュールで動いたほうが良いといえます。
外資系企業は日系企業とは採用方針や社員育成方針が全く異なっており、入社年次の遅れがキャリア形成に致命的なダメージを与えることも多いためです。
理由としては外資系企業は定年まで社員が勤務することをほぼ想定していないのに対して、日系企業は65歳定年まで雇用を保証するという傾向にあるためです。
外資系企業の方が年齢による実力査定などが大きく重視されるのに対して日系企業は20代のうちは苦労はさせるが厳しい仕事は降らずに新卒は大切に定年まで勤務できるように人事が研修やケア計画などを立てているということですね。
外資系企業にとっては1年間の遅れは大きなものと扱われるのに対して日系企業としては「一年くらいの遅れなんて、この先何十年と社会人生活を送ることを考えたら大した問題じゃない」というのが正直な感想です。
日系企業の場合は20代全体を育成期間と考えているのに対して外資系企業は20代の入社初期から戦力でないといけないという考え方をしているということですね。
以下の記事もぜひ目を通してください!!
【留学生必見】1年遅れは就活で不利ではない!?〜1年休学は、独自の価値だった〜
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留学と就活の両立:日系企業を狙う場合は、3年生の10月から国内の学生は準備している。
日系企業を狙う場合は、留学をしていない学生は3年生の10月から11月あたりからインターンに参加しています。
ここで念頭においておくべきは留学経験は別に不利になったりしないということです。
理由としては、そんなに早く内定を出してしまっても、内定辞退されるのがオチであることを現在の企業人事はよく理解しているためです。
現在は第二新卒採用が非常に活発化していますが、好景気で内定を早く出しすぎて安心してしまって第一志望の企業に落ちてもどこかには入れるという状況が当たり前になった結果、入社して半年もたたずに離職してしまう新卒が激増してしまっています。
こうした状況を生み出してしまっている現状では「早く内定を出して新卒を確保してしまいたい。インターンでいい子がいたら内定を出してしまおうか」と企業は考えているのと同時に「どうせ採用するのならうちに入って長く続く子を採用したほうがいいに決まっている。少しじっくり見てから内定を出そう」という心境になっています。
留学と就活の両立:本当に定年まで仕事をしたいと思える企業を探すことが大切。
就活をなんとかストレートに終えようとすると、無理が出る可能性があります。
現在は終身雇用の崩壊がニュースなどになっていますが、少なくとも日系企業には強力な解雇規制もありますし、定年まで働くことを前提とした会社が日系企業では多いです。
労働基準法が厳しいから解雇規制も厳しい、というのではなくそもそも日系企業では、解雇をする風土がありません。
労働慣習という考え方ですが、労働の会社ごとの習慣です。
日本企業の場合はこの労働慣習においてそもそも論として「定年までのキャリア形成を一つの会社の中で行うことが前提」となっています。
外資系企業の場合は転職をすることが前提となっている企業もありますが、日系企業はまだまだ解雇規制は厳しいですしなんとか定年まで定着してもらおうという考え方の会社が多いです。
22歳で入社したら65歳定年まで働く会社を選ぶのが就活であり、慎重になっても問題ありません。
仮に留学で1年間を就活のために確保して卒業を遅らせても後の人生を考えれば、そこまで大きな問題ではありません。
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留学と就活の両立:留学経験を武器にするために
留学経験を武器にするためには、スケジュールをしっかりと管理する必要があります。
仮に留学と同時並行で就活を行い、帰国までに就活を終わらせようと考えている場合にはできるだけ留学中に日本と海外との往復になれる必要があります。
また、留学中の勉強への取り組み方も効率を重視したものにする必要があります。
留学経験をアピール材料の一つにしつつ、面接官の心情に訴えかけるためには「勉強や海外での交流の密度」をアピールしなければならない一方で「就活のために何度も日本に帰ってきてしまっていて結局あまり現地の文化などを深く理解できなかったし、勉強の成果もいまいちになってしまった。何のために留学したんだろう」と後悔をする可能性もあるためです。
この事態を避けるためには、しっかりと留学先での課題などをこなしつつ、短い時間で最大限効率的な学びをするということを意識する必要があります。
また1年間留学のために就活を遅らせる場合には「1年間就活のために卒業を遅らせた分、しっかりと勉強するぞ」という意識が必要です。
周囲のライバルの中にはストレート内定をして卒業をしている学生も出ているので、ストレート内定組に負けず劣らずの「濃い留学経験</b >」ができるように努力してみて下さい。
例えば、海外留学先の現地で外国人の友人たちと共に親友と呼べるような友人を最低でも1人は作れるように努力してなんでも話し合える人を作るということも濃い留学経験を話せるようになる近道の一つです。
外国人の方の生き方やキャリアに対する考え方を自分の中で消化して文化を学ぶことで「自分としてはこのようなキャリアを日本では歩んでいきたい」と明確に伝えられるようになれば面接官も「しっかりと現地で語学学習だけではなく文化も学んできていて1年間就活浪人していても値打ちがある経験をしているな」と判断する可能性が高いためです。
就活と留学の両立は非常に難しいものですが、両立させるとしても、1年就活のためにあえて留年するにしても、後悔のない選択をするようにしてくださいね。
留学と就活の両立について悩んだ場合は先輩の就活生も使った就活サービスを利用してぜひ相談してください。
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