はじめまして。
私は2015年に大学を卒業後、新卒で大手総合電機メーカーへ入社し花形と呼ばれる鉄道の海外営業部へ配属されました。
グローバル化が進む時流のなか、新卒で海外出張や海外駐在ができる仕事に就きたいと望む学生が増えてきたように感じます。
私も同じく、学生時代に学んだ外国語を活かすため、海外で活躍できる総合電機メーカーへの入社を希望しました。
そしてその結果、いくつかの選考を通過し内定をゲット。
夢だった「海外営業部」への配属が決まり、当初はとても嬉しく感じたことを今でも覚えています。
私は、多くの学生が「海外で活躍できる職種」を目指すのが悪いことだとは思いません。
ただ私自身の2年間の海外営業部での経験を通し、「理想と現実には大きなギャップがある」ということを就活生の皆様には知って欲しいと思います。
華やかな職種の裏側をあらかじめ知っておくことで、入社後に失望する新入社員は少しでも減るはず。
そこでここでは、たった2年間という短い期間ですが、私が経験した総合電機メーカーの海外営業部での仕事についてお伝えします。
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目次
海外出張・海外駐在の現実:入社してから半年に及ぶ長い研修期間
一般的に、大手企業は研修期間が長い傾向にあります。
私が入社した会社も例にもれず、研修期間が半年間にも及びました。
・入社後1ヶ月目:ビジネスマナーなど社会人の基礎について学ぶ
・入社後2~5ヶ月目:工場で自社の製品について学ぶ
・入社後6ヶ月目:工場から本社へ戻り本社の業務内容について学ぶ
上記が、私が辿った入社後半年の流れです。
入社してから半年間は実務的な仕事は一切せず、ひたすらビジネスマナーや自社製品について学ぶ研修期間が続きました。
配属先が決まった後、人事担当者から研修期間について聞いた時は「半年間も研修するのは長すぎるのではないか?」という想いがあったのも正直なところ。
入社直後の熱量が最も高い時期に仕事ができないのは、モチベーションの低下に繋がります。
あまりにも研修期間が長いため、入社当初の「早く営業マンとして一人前になるぞ!」といった熱意は徐々に下降していきました。
工場での研修は「製品の製造ラインを見学」「簡単な事務処理」「書類をひたすらファイリング」など、暇な業務が多くストレスが溜まっていたのかもしれません。
こういった雑務も大切な仕事だと頭で理解していても、その期間があまりにも長すぎて、自分自身が何のためにこの会社へ入社したのかがわからなくなりつつありました。
これから大手企業(特にメーカー)へ入社を希望する就活生は、あらかじめ研修期間がどのくらいあるのか確認しておくことをおすすめします。
そして、あまりにも研修期間が長い場合は「研修期間中に自分の熱意が冷めてしまう可能性がある」ということも覚悟しておくと良いかもしれません。
海外駐在や海外出張に関しては以下の記事もあわせてご覧ください。
【人事が徹底解説】グローバル就職の方法とは?大企業より中小企業の方が、海外赴任のチャンスは多い!?
留学経験を活かせる仕事とは?海外出張・駐在できる職種に就くメリット3選
海外出張・海外駐在の現実:事務処理に追われる毎日
半年間に及ぶ研修期間が終わり、いよいよ配属先での勤務が開始。
配属当初は暇な時間が多く、自習のような形をとることが多かったです。
立ち上げ当初のスタートアップや中小企業と違い、大手企業は基本的に人が足りています。
そのため、新入社員に急いで仕事を教えて、早く一人前にさせようという意識は薄いように感じました。
どちらかというと「数年の下積み期間を経て、徐々に成長していってくれたら良い」という考え方だったと思います。
こういった、大手日系企業独特の「まったり系の会社」は、性格によって合う人と合わない人がいるでしょう。
自分自身の性格もまったりしていて、少しずつ仕事を覚えていきたいタイプの人は大手企業が性に合っているかもしれません。
ただ私は、「すぐに仕事を覚えて早く海外に行ける仕事がしたい」と感じていたため、半年間の長い研修が終わってからも続く暇な時間にかなり疲弊していました。
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海外出張・海外駐在の現実:「海外営業部」というキラキラした名前の裏にある現実
入社してから1年半、主に私がしていた業務は「事務作業(海外へ製品を輸出するための貿易実務)」と「工場との納期調整(いつ出荷できるかなど、工場スタッフとの調整)」でした。
たとえ入社した部署が海外営業部という名前だったとしても、海外へ実際に行くチャンスはなかなかありません。
海外の現地に支社がある場合は、わざわざこちらから海外出張へ行かなくても、すでに現地に駐在員がいます。
駐在員が現地でのとりまとめをするため、海外営業部の営業マンたちは「海外へ輸出するための製品を日本から管理する業務」がメインとなるのです。
これは私自身、学生時代には想像していなかった現実だったため、入社前にきちんと「海外営業部の仕事内容」について確認しておくべきだったなと後悔しています。
また大手企業の場合、年功序列の制度が未だに残っています。
そのため「海外出張へ頻繁にいけるのは入社何年目以降」など暗黙の了解で決まっていて、1番若手の自分に海外出張チャンスが実際に回ってきたのは入社してから1年半経った時でした。
海外出張・海外駐在の現実:憧れていた海外出張
入社して1年半経ち、やっと回ってきた憧れの海外出張へのチャンス。
ずっと行きたかった海外出張ですが、あまりにもここまでの年月が長く感じ、正直会社や業務に対する気持ちは冷めてきていました。
「海外と関わる仕事がしたい」と願い会社に入社したものの、長い研修や年功序列制度などの大手企業の古い体質に少し疲れていたのかもしれません。
海外の出張先では、現地の工場で製品を稼働させる試験業務に携わりました。
海外出張ができる仕事を希望する就活生のなかには「海外へ行けるならどんな業務でも良い」と考える人もいるでしょう。
ただ就活で企業を選ぶ際は「自分が海外とどんな関わり方をしたいのか」まで詳細に考えておくことをおすすめします。
私は何度か海外へ出張しましたが、どれも
展示会の準備要員
トラブル対応
など、「誰かの補佐」か「トラブル処理」が多かったのが実情です。
会社を辞めずにあと何年か勤務を続ければ、きっと海外でもっと多くの経験が積めたかもしれません。
入社して10年も経てば、大きなプロジェクトや商談を任されたことも容易に想像できます。
しかし同じ年度に一緒の大学を卒業した同期たちがどんどん海外で活躍する姿を横目に「自分はまだまだ海外で活躍するのには先が遠い」と焦りを感じ、退職を決意しました。
大手企業には大手企業の良いところがあります。長い時間かけてじっくりと研修をしてくれるのは、ある意味では大手企業のメリットだと言えるでしょう。
しかし
大手企業独特の年功序列制度が働いていること
海外営業部の仕事内容(事務処理がメイン)に魅力を持てなかったこと
これからの理由で、私は退職を決意しました。
就活生の皆様はこれから「海外でグローバルに活躍できる仕事」を就活の際に探すかもしれません。
ただ仕事を探す際は「海外営業部」や「海外マーケティング」といった名前に惹かれるのではなく、具体的な仕事内容や会社の社風まで考えて選ぶと、入社後私のような理想と現実のギャップに悩まされることは少ないはずです。
特に留学生はネットの情報を元に就活の情報収拾をすると思いますが、もし一時帰国の機会があればぜひイベントやOB・OG訪問を行なってください。就活でのミスマッチは小さくなるはずです。
就職後のミスマッチを防ぐためには、先輩の就活生も使った就活サービスを利用して自分に一番あった企業の内定を獲得してください。
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