本記事では、ボストンキャリアフォーラム(ボスキャリ)の名物「ディナー」について徹底解説していきます。ボスキャリにおける最後の関門と呼ばれる「ディナー」を成功させるためのコツやディナーでの内定率などを知りたい方は必見の記事です。
初めに筆者がどのようなバックグランドを持っているのかご説明します。私は都内の私立大学に通う22年卒の女子大生で、在学中には途上国に渡航して国際問題を学ぶ学生団体に所属していました。
スイスへ一年間交換留学を行っていたため、フランス語と英語が日常会話レベルできますが決してネイティブレベルではありません。
留学中と留学終了後にボスキャリに2度参加し約20企業にエントリーし、国内大手メーカー、IT企業、外資系投資銀行、外資コンサルなどの合計6社のディナーを経験しました。本記事では筆者の経験を踏まえ、謎の多い「ディナー」の実態やコツを説明していきます。
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目次
そもそもボストンキャリアフォーラムのディナーって何?
ボスキャリにおける「ディナー」について説明します。ディナーとは、ボスキャリ会場から車で10分圏内の豪華なレストランで企業の社員の方々と一緒に食事会をすることです。
19時ごろから3時間ほど社員の方と食事と会話を楽しみます。少人数のディナーだと、社員2人に学生2人、大規模なディナーだと社員10人に50人ほどの学生が参加します。
企業がディナーを行う目的は、選考の延長と学生の囲い込み
ではディナーは何のために開催するのでしょうか?企業によって目的は様々ですが大きく分けて目的は2つあります。
面接の場では見れない学生の素の部分や人柄を見極めるため
ディナーの場は、面接と違いカジュアルな雰囲気で食事を楽しみます。企業の方は、面接ではわからなかった学生の人間性やコミュニケーション能力、素の部分を見て学生の理解を深めます。
そして入社後に馴染めるのか、社風とあっているかなどを見極め、内定を出すか最終判断を下します。
内定を出したい学生の囲い込み
もう一つの目的は、優秀な学生が他の企業に流れてしまうのを防ぐためです。ボスキャリ参加企業は3日間という限られた期間で優秀な学生を確保しなければいけません。
できるだけ優秀な学生と接点をもち、企業のいいイメージを持ってもらうために社員と交流する場を作ります。また内定候補者に企業理解を深めてもらうことで内定承諾率を高めるという狙いもあります。
ボストンキャリアフォーラムのディナーへの参加方法
企業の社員さんからのお誘いがないとディナーに参加できません。ディナーのお誘いには2つのパターンがあります。
面接が終わった直後に「今晩空いてますか?」と聞かれる
この場合ディナーのレストランの場所や時間などが書かれた Invitation Letter が渡されます。
面接が終わった数時間後にメールか電話でディナーのお誘いがくる
ボスキャリ当日は面接続きで非常に忙しいため、企業から電話が来ても出られない場合があります。ですので留守番電話の設定をするか、企業の担当者の方に電話ではなくメールでの連絡をお願いすると安心です。
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ボストンキャリアフォーラムのディナーはいつ開催されるのか?
ボスキャリは金曜・土曜・日曜と3日間開催されますが、ボスキャリの選考は1日目と2日が勝負です。3日目も面接を実施している企業はありますが、完全に撤収モードでウォークインも受け付けていません。
つまり1日目の金曜日と2日目の土曜日がディナーのお誘いがもらえるチャンスです。できるだけ2日目の午後までに最終面接まで進められるように早めの日時に面接を予約しましょう。
ボスキャリ1日目と2日目の夜がディナー獲得のチャンス。企業によっては「木曜ディナー」あり。
毎年ボスキャリは金土日の3日間で行われますが、実はボスキャリ開催前の水曜日、木曜日に面接をボストン支社で行い、ディナーも実施している企業があります。
これを就活生の間では「木曜ディナー」と呼びますが、木曜ディナーに呼ばれるパターンは2つあります。
1つは、事前のオンライン面接で木曜ディナーに呼ばれるパターンです。この場合、企業の方は事前選考の途中で優秀だと思った学生に早めにアプローチして社員と交流することで企業にもっと興味を持ってもらいたいという狙いがあります。
2つ目は、木曜日に最終面接を実施し内定を出したい学生をディナーに呼ぶパターンです。筆者は木曜日に外資コンサル企業の2次面接と最終面接を一気に行い、その場でディナーの誘いを受けました。ディナーに参加した学生は全員ディナー終了後に内定をもらいました。実はボスキャリは、木曜日、早い企業だと水曜日から始まっているのです。
ボストンキャリアフォーラムのディナーの内定率は?
ディナーに行くとどれくらいの人が内定を取れるのか気になっている方は多いのではないでしょうか?多くの学生が、ディナーに参加している時も「これは選考の一貫なのか、全員が内定をもらえるのか」と気になるものです。
ディナーでの内定率
- ボスキャリ中に内定を出す企業
- 日本で最終面接をする企業
によって開催目的や内定率が大きく変わります。それぞれの企業のディナーの目的と心構えを順番に説明していきます。
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ボストンキャリアフォーラム中に内定を出す企業のディナーの内定率は約95%
ボスキャリ中に内定を出す企業だと、最終面接を通過した後のディナーに参加すれば95%くらいの確率で内定をもらえます。
内定の告知は、ディナーの終盤に告げられるか、ディナー終了の数時間後もしくは次の日にメールもしくは電話で内定の連絡がきます。
このような企業はBIG4やIBMなど外資企業に多い形態です。最終面接後にディナーに招待されるとその時点でほぼ内定は決まっています。
日本で最終面接がある企業のディナーの内定率は約50%
ボスキャリ中に内定を出さずに、日本で最終面接もしくはオンラインで最終面接をする企業では「ディナーに招待された=内定」にはなりません。あくまで選考の一部として学生の対応やコミュニケーション能力、他の企業の選考状況の把握、また企業理解を深めるために実施されています。
もちろん面接で評価されているためにディナーに招待されていますが、必ずしも内定が取れるという訳ではないようです。
筆者も国内大手メーカーの2次選考に合格し学生2人、社員2人という超少人数のディナーへ招待されました。日本へ帰国して最終面接を受けましたが、残念ながら不合格となりました。
一般的に最終面接の合格率は50%と言われているので、ディナーでも気を抜かずに積極的に社員さんにアピールすることをおすすめします。
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ディナーのバッティングを防ぐコツ
うまく行くと複数企業からディナーのオファーがもらえることになりますが、どこに行ってどこを断るのか難しい選択を迫られます。
志望度が高い企業のディナーにうまく全部参加できるように筆者が工夫していた方法をご説明します。
企業の希望度、優先順位を決める
応募した企業の中から第一志望群・第二志望群をそれぞれ1社〜2社ほど決めます。
第一志望群の面接は1日目の午前に予約する。1日目の夕方までに最終面接を受ける。
ボスキャリ前の第一志望群の事前選考(ES・ウエブテスト・オンライン面接など)はなるべく早めに受け、選考を進めます。ある程度選考が進むとボスキャリでの面接に招待されるので、1日目の午前中に面接の予約をします。
1日目の早い時間に面接ができると、次の選考は早くて1時間後〜6時間後に面接を受けることができます。1日目で最終面接まで進めるように朝の早い時間に面接予約をすることが重要です。最終面接を通過すると1日目のディナーに招待されるので、第一志望群のディナーを1日目で取れるようにしましょう。
第二志望群の面接は、1日目の午後に予約する。2日目の夜までに最終面接を受ける。
筆者の経験では、1日目の後半に面接をすると2日目に次の選考を受けることになります。第二志望群が複数ある場合、特に志望度が高い企業は2日目のなるべく早い時間に面接を入れましょう。2日目に最終面接を終わらせ2日目のディナーに行くのがベストです。もし複数企業からディナーをいただいた場合は、3日目にディナーを開催していないか聞いてみるのもいいと思います。
私はこの方法でボスキャリに2回参加して、計7回ディナーに参加することができました。必ずしも上記で説明するように選考が進むわけではありませんが、シュミレーションをしておくことで焦らずに対応できるようになります。
外資系投資銀行のディナーは3日連続で招待されることも
外資系投資銀行のディナーは他の企業と比べて特殊です。外資系投資銀行では、木曜日は部門別のディナー、金曜・土曜に全部門合わせた食事会が開かれます。最終日の土曜日のディナーは正式にオファーをもらった人のみが招待されます。
木曜日、金曜日のディナーでは、学生のコミュニケーション能力や会社との相性など総合的に判断してどの学生にオファーを出すのか最終判断を下します。
筆者の周りの友人では、ディナー中に別室に呼ばれオファーをもらえた学生や、金曜ディナーの次の日にオファーをもらった学生、ディナーに参加したけれどオファーがなかった学生などさまざまです。
オファーがもらえるまでは、ディナーも選考の一部ですので気を抜かずに参加しましょう。
またディナーに3日連続招待されることもあるため、他の企業のディナーに行けない可能性があります。さらに、企業によってはディナーだけではなく、朝や昼に食事会が開かれることがあるので外資系投資銀行を志望する方は余裕を持ってスケジュールを組むことをおすすめします。
外資系投資銀行は採用人数も少ないため、志望度の高さを見られます。できる限り参加し社員の方との交流を深めましょう。
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疲労のあまり寝ぶっち!?実際にあったディナー失敗談
実際に筆者が聞いたディナー失敗談をいくつか紹介します。
疲労のあまりディナーを寝ぶっちしてしまった。
某外資企業にディナーに誘われ快諾したが、ディナーに備えホテルで仮眠したところ気がついたら23時に。ディナーを寝ぶっちをしてしまったというパターンです。
これは筆者が実際に参加したディナーで会った学生から聞いたエピソードです。電話をして謝罪をしたところ、人事の方が次の日のディナーに招待してくれたそうです。リベンジのディナーの場では寝ぶっちの件で社員さんにネタにされ大盛り上がり。無事に内定も頂けたそうで、企業の方の懐の広さを感じました。
ボスキャリは本当に体力が消耗されます。ボストンの11月は雪が降るほど寒く、朝から晩まで面接漬け、内定が取れるかわからないプレッシャーからストレスが非常にたまります。ディナーの前の仮眠には十分に気をつけましょう。
お酒が回って酔っ払い飲み会のテンションになってしまった。
ボスキャリのディナーの席では、まずはじめにシャンパンやワインで乾杯をします。飲めない人は強制的には飲まされませんが、ボスキャリでは体力を消耗して酔いが回りやすいのでお酒の分量には気をつけましょう。
ディナーの参加する企業を間違えてしまった
気がついたら同じレストランで開催している他の企業のディナーに参加していたというパターンです。有名なレストランでは、複数の企業がディナーを開催している会場があります。当たり前のことですが、どこの企業のディナーなのかしっかり社員さんに確認して席につくようにしましょう。
ディナー中に評価される行動とは?
英語が得意ではない社員の方がいる場合があるので、レストランのオーダーは積極的に取る
ボスキャリに参加する社員の方は必ずしも英語が流暢な方が多いとは限りません。実際に海外でバリバリ生活をしている海外大生や交換留学生は、レストランでのオーダーには慣れていると思うので、積極的にオーダーを取るようにしましょう。
ボストンのレストランでは、オーダーの際に普通の水(water )と炭酸水(sparking water)のどちらがいいか聞かれます。
あるディナーで英語が得意ではない社員の方が炭酸水(sparking water )という単語がわからないのを察して、「私は、炭酸水にしようかな〜」と独り言をいうふりをして、さりげなく、sparking water =炭酸水であることを伝えたのです。このさりげない気遣いは素晴らしいですね!
ディナーの後にお礼メールを送る
ディナーに参加する学生の人数が少ない場合、社員の方から名刺をいただけることがあります。その際は、個別でディナーをご馳走になったお礼の連絡をするとより社員の方にいい印象を持ってもらうことができます。
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ボストンキャリアフォーラムのディナー:まとめ
ボスキャリの名物「ディナー」についてご説明しました。ボスキャリは、納得のいく結果が出なかったり悔しい思いをすることもありますが、どんな結果であれ非常に濃い経験ができます。
「ディナー」だからと堅くならず自分らしく挑み、みなさんが悔いのない3日間を過ごせることを祈っています。
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